CONCEPT.5 (Soft)

自然素材・断熱材・パッシブデザインについて

Information

「夏涼しく冬暖かい住宅」を誰もが希望します。ところが実際住んでみると「そうでもない…」ということはよく聞きます。感覚という曖昧なものを伝えるのは難しい。それを受けとめる側の大半は自社の造った家に住んだ経験もなく「今は断熱がしっかりしてます」とか言っていつもどおりの事をやろうとしたりもします。ハッキリ言って日本の断熱性能は基準が低すぎです。残念ながら殆どの新築は暑くて寒いGLAM’PLANではヨーロッパ(ドイツ基準)の基準を参考に日本の暑さ・湿気を考えたパッシブデザイン設計をしています。
住宅建材にはシックハウスの原因となるホルムアルデヒドやVOC(揮発性有機化合物)などが含まれる場合が多く、その発散を抑えようとする国の基準があります。しかしそれを使う前に思うことは、「そもそも発散しない建材があるのに何故?」です。いわゆる自然素材と呼ばれるものの大半がそれです。
さらに「快適な○○○システム」”などの機械的なものはほぼ全て否定しています。書いてある事をよくよく読めばパッシブデザインの考えが反映されており、その機械は役に立っているのか?疑問だからです。まずは建築でできる事を考えましょう。その上で足りないなら何かで補うのが正しい事だと考えています。
暑さ寒さは不快に思う原因のトップです。最終的には各区画の温度差と家全体の湿度コントロールが快適住宅の重要なポイントです。断熱・防露・調湿・防音に優れた断熱材だけを採用し、呼吸する家を自然素材で実現。たとえ、構造材がよく、良い職人がつくった家でも断熱材が良くなければ何の意味もありません。断熱・防露・調湿・防音に優れた断熱素材であれば家は木と同じくらい長持ちするのです。人にも家にも快適と健康を考えてご提案しています。

自然素材を使用する

漆喰

漆喰

漆喰は古来より世界中で使われてきた内外壁用の素材です。湿度の高い夏は、湿度を吸い込み、感想した冬には湿気を放出し、居心地の良い室内環境をつくります。個人差はありますが毎年の冷暖房費が半減するご家庭も多いようです。化学物質を吸着する事、弱アルカリ性のため有機物を分解する殺菌効果、成分の炭酸カルシウムは静電気を溜めないためホコリも付きにくい。お手入れが大変そうとよく言われますが、ちょっとした汚れは消しゴムで消すか、カッターナイフで削ります。大きな面では薄くのばした漆喰を塗料のように塗り付けます。張替えを業者に依頼するビニルクロスよりも、自分でできるので簡単です。

無垢フローリング

無垢フローリング

天然木の優しい肌触りは素敵ですが、それば調湿をしてくれる素材であり、表面には目に見えないデコボコになっているからです。夏・冬での床材の温度差も少ないので不快に思う事もありません。逆に合板フローリングは調湿効果もなく、夏はベタベタし気温に温度がついていくので冬はキンキンに冷えています。表面は塗料でコーティングされているので、不快感はそこからきています。

国産タタミ

国産タタミ

国内で使用されている製品の70%が中国産のい草で作られています。もちろん安価なためですが、国産のい草は、丈夫で長持ち、さらに香りが良くリラックス効果があります。特に九州で生産されているい草は調湿に優れています。

塗料

塗料

自然の植物油(ひまわり油、大豆油、アザミ油)と植物ワックス(カルバナワックス、カンデリワックス)をベースにした、自然塗料です。顔料は食品レベルのものを採用しているので安全です。また浸透性の塗料なので木の呼吸を妨げません。塗膜をはるものは、木の呼吸を妨げ、肌触りもベタベタしますのでオススメしません。

断熱材にもこだわりたい

セルロース断熱材概要

セルロース断熱材とは?

人や環境に優しい理想の断熱・調湿・防音材セルロース断熱材は、新聞古紙からリサイクル生産される環境配慮型断熱材です。セルロースファイバーは、様々な太さの繊維が絡み合い、空気の層をつくることはもちろん、1本1本の繊維の中にも自然の空気胞が存在しているのです。この空気の存在がよりいっそう熱や音を伝えにくくします。さらに、木質繊維特有の吸放湿性で適度な湿度を保ちます。木にあるパルプが紙となります。パルプの成分はセルロース、ヘミセルロース、リグニンです。そのうち、吸放湿するのはセルロース。

セルロース断熱材の特徴

01断熱性能

セルロースファイバー断熱材は他のファイバー系断熱材より断熱性能が高いだけでなく、吹き込み施工を行うため、セルロースファイバーを隙間、偏りなく隅々まで充填することができ、断熱・防音の性能をいかんなく発揮します。 コロラド州の建築大学(デンバー大学)では、セルロースファイバーとグラスファイバーの実際の断熱性能を試験し、以下の結果を得ました。 セルロースファイバー断熱材使用の建物は、グラスウール断熱材使用の建物に比べ、暖房のためのエネルギー消費が26.4%少なくすむ。 セルロ-スファイバー断熱材は、グラスウール断熱材より、性能が約4割優れている。 以上のような結果から、寒冷地など気候の厳しい土地ではセルロースファイバー断熱材のメッリトはさらに顕著に現れるであろうと言っています。

02結露防止

結露を防ぎ、住まいの寿命を延ばします。 木質繊維のセルロースファイバーは住宅内で生きています。周囲の状況に応じて水分を吸ったり吐いたりしています。この吸放湿機能が適度な温度をもたらし結露を防ぎます。 それによって大切な建物の寿命を延ばすことにもつながります。セルロースファイバーは、土壁の調湿性に断熱性がプラスされた断熱材なのです。

03防音性能

高い防音性能を実証 (吸音・遮音・防振)
リバーバンク音響研究所におけるフルスケールの壁の音伝達等級検査において、セルロースファイバー断熱材を施工した壁は、隣接する部屋間の伝達音量を効果的に低減する”ということが立証されました。 通常の断熱材を施した壁を簡単に通ってしまう高周波の音も、セルロースファイバー断熱材は、セルロースファイバーの多孔性と高密度充填によって通さず、高い吸音効果によって、注目すべき”静寂さ”を得ることができる断熱材です。 また、セルロースファイバー断熱材は、一般の戸建住宅のみならず、アパート・マンション・オフィス・ホテル等の事業用建物にも利用されています。

04耐火性能

万一の火災にも安心
難燃処理により、万一、火災にあったとしても延焼を防ぎ有毒ガスの発生もありません。

05防虫性能

カビや害虫にも安心
木質繊維が持つ吸放湿性の効果でカビや菌の発生を防止。 害虫に対しても効果があります。カビ抵抗性表示 : 最上級のランク3 防カビ性試験/JIS Z 2911
一般の食卓塩の6倍も安全と評価されています。

06安全性能

確かめるまでもない安全性
セルロースファイバーはホルムアルデヒド・VOCの放散試験において 無垢の木材と同様の対象外でF☆☆☆☆以上の安全性が認められています (財)建材試験センター

羊毛断熱材概要

羊毛断熱材とは?

羊毛100%をとうもろこし繊維でつなぐ工夫で自然素材100%とも表現できる画期的断熱材です。 発火しにくく延焼しくく、表面は優れた撥水性と吸放湿性を持ち水に濡れてもすぐに乾き形も崩れないという、特性があります。ウール製品には虫害の心配がありますが当社が使用する羊毛断熱材「ウールブレス」なら安心です。「オクトボー」と言うホウ酸を主成分とした、人体に危険がない害虫忌避材を繊維の中に閉じ込めてあります。この害虫忌避性能は100年以上持続します。(国立オーストラリア科学産業研究機関(CSIRO)の研究による)ダニ・カビなどの心配はありません。羊毛はその特性として常に湿度を50~60%に保とうとします。ダニは湿度が70%以上の環境でなければ成育出来ません、よくカーペットにダニがたくさん居ると言われますが羊毛100%のカーペットにダニは一匹も居ません。化繊のカーペットでは生きることが出来てもウール100%のカーペットでは生きられないのです。

羊毛断熱材の特徴

01断熱性能

ウールは繊維が縮れているために空気をたくさん蓄えることができます。さらに、ウールは熱伝導率が優れており、繊維組織内にある空気が外部の空気の進入を防ぎ優れた断熱効果を得られます。

02結露防止

優れた調湿機能が結露を防止
羊毛繊維の表面を覆うウロコ状の「スケール」は撥水性があるので、水滴をはじき返しますが、湿気自体は通過させる特性があります。 これにより表面はさらっとしていながらも、内側は湿気を吸放湿する事で優れた調湿機能を発揮します。湿度が高くなると繊維内に湿気を吸収し、逆に湿度が低くなると空気中に放湿。周囲の湿度を55%に保つので、カビの心配は要りません。表面はさらっとして、ヒョウヒダニが生息できない環境になります。湿度の高い日本の気候風土に柔軟に対応できる断熱材です。

03防音性能

室外からの騒音、室外への音漏れを吸音
ウールは防音性に優れ、室内の反響音や屋外の騒音を抑える働きがあります。2階や3階の床衝撃音を抑えるために床にウールブレスを使うというのもよい方法です。一流ホテルのロビーが静かで話がしやすいのは、カーペットやカーテンにウールが使用されているからです。

04耐火性能

発火しにくく、延焼しにくい
ウールは発火しにくく、延焼しにくい繊維なのです。その性質を評価され、たとえば「ボーイング社」の飛行機の内装、新幹線のグリーン車のカーペットや座席。一流ホテルではカーテンにもウールが使用されています。着火しても火源を取り除けば燃焼し続けることなく、短時間くすぶるだけで消える安全な繊維だからこそ!なのです。そして、有害物質が発生する恐れもありません。

05防虫性能

食塩と同じ岩塩から抽出した防虫剤
ウールブレスに使用されている防虫剤「オクトボー」は食塩の原料である天然の岩塩から抽出されたものです。 少ない量で充分な防虫効果を発揮する非塩素系ホウ酸であり、人にも地球にもやさしい安全な防虫・防蟻剤(忌避剤)です。殺虫剤ではありません。 非塩素系ホウ酸は無機質のため分解される事がなく、高い防虫効果が半永久的に持続します。

06安全性能

シックハウス対策に最適な断熱材
ウールブレスは一切の接着剤を使用せず、シックハウスの原因となる有害物質「ホルムアルデヒド」を含んでいません。逆にウールはホルムアルデヒドなどの化学物質を繊維内に吸着し、再放出しません。まるで、天然素材の空気清浄機です。

「セルロース断熱材」「羊毛断熱材」は断熱性はもちろん、様々な性能に優れた断熱材です。

断熱材の種類 断熱 防音 調湿 耐火 防虫
セルロース断熱材
羊毛断熱材
グラスウール × × ×
ロックウール × ×
ポリスチレンフォーム × × × ×
ウレタンフォーム × × × ×
セルロース断熱材や羊毛断熱材は、もとをたどれば、天然素材である木材から生まれた断熱材。
有害物質や刺激成分はなく、グラスファイバーやロックウールのような鉱物繊維も含みません。
また発泡樹脂材のように火災時に有害ガスを発生させることもなく、地球にも、住む方にも優しい断熱材です。

パッシブデザインについて

住宅建築でのパッシブデザインとは太陽熱や風などをたくみに建物内へ取り込むことで「暖かさや涼しさ」を自然に実現しようとする考えです。エネルギーの消費を抑えることができるので省エネにもなり未来のエコ住宅には必須の考え方だと思っています。断熱性能だけでは不可能で、主に熱移動のコントロール、蓄熱、通風などを効率よく設計する事で可能となるのです。グランプランでは、パッシブデザインをいち早く取り入れ将来のエネルギー問題にも配慮しています。

夏のパッシブイメージ

夏のパッシブイメージ

冬のパッシブイメージ

冬のパッシブイメージ

パッシブデザインの仕掛け

採光関連

南面の大開口

太陽の光を最大限取り込むために南面は可能な限り面積の大きい窓を配置。
冬の暖かい日差しを少しでも多く採り入れる。

窓の断熱性能

家の断熱で一番の弱点が実は窓。
窓を増やせば増やすほど冬の夜は寒くなり、夏は暑くなる。窓自体の性能をあげるために、トリプルガラスの木製枠・高断熱サッシを採用する。※パッシブの考えでは南面に断熱フィルムは無用。遮熱フィルムであれば冬の窓際は温かい。東西北面は断熱フィルムを採用する。

グランプラン推奨:ユニルクス 樹脂サッシ

東西北面の遮蔽

南面以外の窓は、明かりとり・通風をさせるための必要最小限に抑える。
西は太陽の角度が低く庇では防げず、日差しが強いため特に塞ぐ。

コンクリート(蓄熱対)

RC土間やRC壁を日光のよく当たる場所に配置。
日中採り入れた太陽熱をじっくり蓄熱していき、夜になるとゆっくり放熱していく。

夏と冬の太陽の角度に注目。
夏の太陽が室内へ入らず冬はしっかり室内へ採り入れる事が出来る庇の長さを計算し南面の窓全部に設置する。

タープ、葦津、南の庭木(落葉樹)

室内のカーテンと比べて格段に効果があがるのが外部の日除け。
庭木や葦津は日陰を作るとともに温まった南風をわずかにでも冷却してくれる。タープは庭の地面を直射日光で蓄熱するのを防ぎ日陰の面積を大きくとれる。

屋根

夏暑くなる小屋裏にはFRP防水を施した屋上にウッドデッキと屋根で覆い外部とした。
通風は抜群によく、2階部分に熱がこもる事は無い。

通風関連

風抜き穴

南から採り入れた風を抜くために北面へ抜ける口。
南風を効率よく通すためには小さくても必ず北面に配置し更になるべく上部が好ましい。

グランプラン推奨:ダクトレス熱交換換気システム

材質

遮熱フィルム

遠赤外線を反射する透湿防水シート
断熱だけではなく、太陽が発する遠赤外線を遮断しなければ家は中から暑くなる。熱くなった外壁の放射熱を断熱材が吸収しにくくできるので効果的。

気密

高い気密性がなければ、隙間から熱が奪われる。
隙間があれば室内に温度差が生じクールドラフト(隙間風)が起こる。完全な気密は結露を引き起こすので注意。

断熱材

吸湿発散し湿度コントロールをする自然素材の断熱材(セルロース)。
室内の湿気を吸収しジメジメやムシムシの不快感を緩和する。

漆喰

たくさんの良い所を持つ漆喰。日本の気候で考えるパッシブにとって最も重要な素材。
調湿効果は外壁に使えば夜に吸湿した湿気を昼に発散し気化熱で温度が下がる。内装材に使えば、夏は吸湿し不快感を減らす。冬は暖房の熱を外に逃がさず反射する遮熱効果がある。

その他

水盤

南の窓の前に設けることで水盤の上を夏の温かい風が通る。
少しでも冷却した風を家に採り入れる。水面で反射するユラユラは癒し効果も。

太陽光パネル

そもそもの目的は違うが、物理的な遮熱板効果。
太陽光パネルの性能が遮熱板として最適で、架台下の屋根との隙間が通気層となる。

その他グランプラン推奨設備

■建材系

・内装壁紙:ラウファーザー
・塗装:リボスディプロン

■設備系